卵を知って失敗しないお菓子作り・お料理
クックパッドや楽天レシピなどのレシピサイトで、「失敗しない○○」(※○○は料理名)というタイトルが付けられたレシピがたくさんあります。
「失敗しない」をキーワードにして、検索表示された料理のほとんどに共通するのが「卵」です。卵を使った料理やお菓子は失敗しやすいのです。
卵の熱凝固性
卵には熱凝固性という特性があり、一度凝固すると元に戻すことができません。固まり始める温度や固まるスピードは、黄身と白身で違います。
卵黄は65℃から固まり始め、固まるスピードが早く、卵白は58℃から固まり始めますが、固まるスピードはゆっくりです。
カスタードクリームがダマになる原因はここにあります。卵黄を使うカスダートクリームは、急激に加熱すると卵黄だけが固まってしまいとろみがつきません。一気に加熱しないように弱火にし、加熱しながらかき混ぜて、卵黄が一度に固まるのを防ぐ必要があります。
卵白の起泡性
卵白を泡立てるとふわふわになるのは、卵白のもつ「起泡性」にあります。起泡性とは、泡立ちやすい性質のことで、空気を取り込み混ぜることで、たんぱく質が固くなり泡が安定します。
卵白はとてもデリケートで、温度や時間、様々な要因によって卵白中のたんぱく質の立体構造が変わるといわれています。メレンゲを作るとき、黄身が入ると泡ができにくくなったり、銅製のボールではきめ細やかな泡になったりと、膨らみかたが違います。
泡立ちを安定させる砂糖も、量やタイミングが違えば泡立ち方が全く違います。
混ぜ方で違いがでる乳化性
水と油は本来混ざりませんが、乳化性をもつ卵黄を加えることで、水分と油分が分離せず混ざり合うことを「乳化」といいます。マヨネーズは乳化性を利用して、油と酢を混ぜ合わせて作られています。
乳化が不十分だと、水分と油分を混ぜ合わせてつくるシュークリームの生地などは、十分に膨らみません。
一度に混ぜ合わせようとすると分離してしまうので、材料を少しずつ混ぜ合わせ、しっかりかき混ぜることで、卵の水分がより細かい状態になり安定します。
料理やお菓子作りで失敗する理由は卵の特性だけではありませんが、卵の特性を知って料理することで、失敗を減らすことができます。