卵の構造と鮮度について
普段何気なく食べている卵がどのような構造なのか詳しくご存知の方は少ないと思います。
こちらでは、卵の主な構造についてご紹介させていただきます。
卵殻
卵の中身を保護するために固く作られている殻は、ほとんどが炭酸カルシウムでできており、表面には気孔と呼ばれる小さな穴が沢山開いています。
これは、卵黄の胚(将来ひよこになる部分)が呼吸するためで、卵内部の水分や炭酸ガスもこの穴から発散されます。卵は気孔を通して卵殻の外側のにおいも吸収するため、卵の近くににおいが強い食品を置いていると、卵ににおいがついてしまうので注意しましょう。
卵殻膜
ゆで卵の皮を剥く時に、その時々で薄皮の剥きやすさが違うことを不思議に感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、卵の鮮度が関係しています。卵殻膜は、卵殻に密着した薄い膜で、外卵殻膜と内卵殻膜の二層から成り立っており、鮮度が高い卵ほど白身の側にある内卵殻膜が白身に密着しています。
また卵の鈍端では、二層の膜が分かれて気室と呼ばれる空間を作っています。卵内部の水分は気孔を通り蒸発するため、気室の広さも時間の経過と共に大きくなります。つまり、卵は薄皮が剥きにくく、気室が狭いほど鮮度が高いと言えます。
卵白
卵白は外水様卵白、内水様卵白、濃厚卵白、カラザの四層から成り立っています。濃厚卵白が黄身の周りを支えており、濃厚卵白の周囲を囲む水様卵白との違いは一目で分かります。
新鮮な卵を割って白身が黄色っぽいと感じた事がある方はいませんか。
卵は炭酸ガスを多く含み、時間の経過と共に気孔から外に発散されます。白身が黄色っぽいのは白身に含まれている炭酸ガスが多い証拠です。また、時間の経過と共に濃厚卵白の粘性がなくなるので、古い卵は割った時に白身や黄身が広く拡散します。
卵黄
卵の約三割を占めている卵黄は、卵殻と二層の卵殻膜、強い殺菌作用を持つ卵白によって周囲を囲まれた状態で卵の中心に位置しています。卵黄は、半分が水分で残りがタンパク質や脂質で成り立っています。卵黄の水分も時間の経過と共に気孔から外へ排出されるため、古い卵は卵黄の表面のハリがなくなり、シワができてしまうこともあります。