卵の三大特性とは
熱凝固性
卵に多く含まれているタンパク質は、熱を加えると固まるという性質を持っています。
私たちがよく知るのは、たまご焼きやゆで卵、茶碗蒸しでしょう。凝固の温度や状態は卵白と卵黄では異なり、卵白は58℃で固まり始め、80℃で完全に固まりますが、卵黄は65℃で固まり始め、70℃で完全に固まります。
この卵白と卵黄の凝固する温度の差を上手く利用した食べ物は温泉卵で、プリンや茶碗蒸しで見られる「す」は長時間加熱して温度が高すぎることでできます。また、はんぺん特有のフワフワとした食感は、卵の熱凝固性と起泡性を上手く利用して作られています。
泡立性
卵の卵白には、起泡性・安定性・均一性といった3つの特性があります。この泡立性を利用してスポンジケーキやカステラ、ムース、マシュマロなどのお菓子が作られています。生地に混ぜ込んだ泡の空気が熱を与えることで膨らみ、生地をふっくらとさせるのです。
また、卵白を泡立ててパン粉と混ぜることでパンを上手に膨らませることもできるため、手作りパンなどにも最適です。鮮度の高い卵は卵白がとても濃厚なので、より泡立てやすく、膨らみの良いメレンゲを作ることができるでしょう。
乳化性
乳化とは、水や油などのお互い混ざり合わない2つの液体の一方を微粒化させ、他方に分散させることをいいます。卵黄のタンパク質に含まれているレシチンという成分が、この反発する2つの性質を中和する働きがあります。
卵の乳化性を利用したもので有名なのは、マヨネーズです。マヨネーズは、脂分と酢を始めに混ぜてから卵黄を加えることで、キレイに混ざるのです。また、牛乳と生クリームを使うアイスを作るときにも、卵黄の乳化性は利用されています。